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HP Chromebook x2 11を1ヶ月ほど使ってみた感想・レビュー

先々月、3年ほど使っていたMacBookAirが突然立ち上がらなくなりました。

結果としては、Apple Storeに持ち込んでOSの再インストールをしてもらったら3日ほどで直って返ってきたのですが、当初は2〜3週間の修理期間が想定されていて、期末テストやレポート期間直前に故障したこともあって代替機を購入しておくことになりました。

そこで、Macは代替機としてはあまりにも高すぎるし、Windowsも今あるデスクトップで十分、せや!修理に出したMacBook Airが直った後も代替機はゴロ寝PC兼タブレットに使いたいしChromebookにしたろ!!!ということで、キーボード着脱式でスペックが比較的高いHP Chromebook x2 11を購入しました。

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ということで、今回は大体1ヶ月ほど使ってみて個人的に良かったところ、思いの外クソだったところについてそれぞれ取り上げていきたいと思います。

では、まずは良かったところから。

①動作がサクサクしてる

MacWindowsを差し置いて、Chromebookを選ぶべき一番のポイントが動作がモッサリしないところ。動作面でイライラすることはありません。爆音でモーターが回っていたMacBook Airよりも静かなのも素晴らしい。セキュリティも自動アップデートで勝手にやってくれますが、どこかのWindows Updateとは違って急にかましてくることはないので、その点でも安心して使えます。

Linuxが使えて機能を拡張できる

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MacWindowsから入って、いきなりLinuxに手を出すのはハードルが高いと感じるかもしれませんが、Chromebookではちょっと正規の設定をいじればLinux環境が簡単に構築できます。Androidでは入れられなかったアプリも入れることができ、非常に便利です。私は大学の授業でプログラミングをすることがあるのでLinux版のVSCodeを入れています。他にも画像編集ソフトのGIMPやOffice互換ソフトのLibreofficeなども入れられるみたいです。

③デタッチャブル


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キーボード着脱式を選んだのは正解でした。寝っ転がって腹の上にこれを置く時、キーボードがあると面積が取られて邪魔なんですよね。逆にプログラミングとか文章を打ってる時は間違いなくキーボード必須なので、使い分けできるのはありがたいです。あと、キーボードも本体にくっ付けると若干角度がつくタイプなので、個人的にはこの点もポイント高いです。

 

はい、良かったところはこのくらいです。次に思いの外クソだったところについて取り上げます。

①AndroidOSが中途半端

買ってみて一番予想外だったところです。

ChromebookのOSはChromeOSなのですが、一応Androidも搭載されています。そのため、Playストアからアプリをダウンロードすることができます。HP Chromebook x2 11はAndroid9を内蔵しており、CPUもQualcomm Snapdragon 7cというスマホ向けのものなので、Androidアプリはかなり動きやすいです。

しかし、そうは言っても主役はChromeOS。完全なAndroidOSではないのでPlayストアからダウンロードできないアプリもまあまああります。例えばGPS機能が搭載されていないのでポケモンGOはダウンロードすらできません。最近登場したクローンアプリのislandも仕事用プロファイルの仕組みがAndroidOS上にないので無理でした。あと、NHKプラスもダウンロードできなかったのは個人的に一番驚きました。ダウンロードできるけど起動できないものでいうとMicrosoft Edgeくらいですが、これは基本的にブラウザはChromeで事足りるだろうし、EdgeのパスワードをChromeに転用できる拡張機能もあるのでそれを使えばそんなに不自由はないかと思われます。

で、AndroidOSではアプリのファイル(いわゆる野良apk)を使って、Playストアを経由せずにアプリをダウンロードするということができますが、Chromebook全般ではapkからのアプリダウンロードができないんですよね。Androidアプリをダウンロードするためには原則としてPlayストアを経由しないといけないという仕様になっていて、これに関しては正直ムカついたし、大誤算でした。

一応、デベロッパーモードにするかLinux環境のADBデバッグ機能を有効にするかのどちらかを行えばapkからのダウンロードもできなくはないのですが、これはこれで非常に面倒臭いです。前者であれば起動時に毎回デベロッパーモードだけど大丈夫?みたいな表示が出るし、どちらも機能をオフにする時には必ず本体が初期化されるというクソみたいな仕様なのでなかなかリスキーなやり方になってしまいます。

一応、NHKプラスなどのWebサービスに関してはブラウザのChromeにあるショートカット機能を使ってアプリっぽく使う方法はあります。

よく利用するウェブサイトはChromeの機能でアプリ化してしまおう! | Tanweb.net

上記の手順をNHKプラスのサイトで実行すると、アプリ一覧にこんなNHKプラスのアイコンが出現するようになります。

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ここからブラウザアプリのChromeとは別にChromeAPIを使って起動することができます。

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右上にアプリ情報とかChromeで開くボタンが出ているように、ブラウザとしてのChromeとは別の形式で開かれていることが分かるのではないかと思います。

これを見ると、ChromeOSでのWebサービスは基本的にChromeで全部やれということなんでしょうかね。

②まあまあ重い

本体が単体だと560g、付属のキックスタンドとキーボードを合わせると1.03kgということでちょっとタブレットにしては重いかなと。出先に持って行くときなんかだと普通にノーパソを持ち歩いている感覚ですし、ノーパソより画面が小さいだけに余計に重さを感じるかもしれません。

③キーボードが窮屈に感じる

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この手のパソコンあるあるなんですけど、キーボードに難ありです。特に右側にいくにつれてキーの大きさが小さくなりすぎでしょ。特にエンターキーとか。キーストロークは特に問題ないのですが、キーの大きさや配列、間隔はちょっと窮屈に感じてしまいます。一つズレたキーを打っていたなんてこともよくあります。ただこれに関してはモバイルPCでも生じる問題ですし、買う前から分かっていたのですが…使ってみると不満を言いたくなるレベルでストレスが溜まります。

④純正のタッチペンが別売

このHP Chromebook x2 11には専用の純正リチャージャブルUSIペンがあるのですが、これ別売なんですよね。価格は10,780円。本体とセットだと30%OFFになるみたいですが、それでもちょっと…ねぇ…?

対抗に挙げられるLenovo ideapad duetはタッチペンが付属しているだけにこれはかなりマイナス点。しかも海外版だとこのタッチペンが付属していて、日本版だけこんな仕打ちらしい。日本人はどこの業界でも食い物にされるんか?()

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ちなみにタッチペンの書き心地はかなり良いです。しかも本体右側面にある強力なマグネット部に付けるとそのままくっ付いて充電できるので、その点でも非常に便利。わざわざお金を出して買って良かったとは思いますが、他の製品と比べると損をしたようにも感じると言ったところでしょうか。

同じ純正タッチペンのオプションではリチャージャブルじゃない普通のUSIペンもあるのですが、こちらは電池交換式でマグネットこそ付いているものの本体の側面に付けると斜めについてしまうらしい。たまにこのリチャージャブルじゃない純正USIペンが無料で付属するキャンペーンもやってるみたいですが、ここはお金を出してリチャージャブルの純正タッチペンを選択した方が100万倍良いです。電池交換の手間も省けるし、何よりちゃんと本体に真っ直ぐひっつくので。

アーキテクチャがARM64

①とも関連する話なのですが、Androidスマホに相性の良いSnapdragonのCPUを搭載していることもあって、アーキテクチャスマホでよく使われるARM64なんですよね。

アーキテクチャってのはCPUの仕様とか設計、ルールみたいなもので、CPUがどういう風に動くかを決めるものです。そのため、アプリの仕様もこのアーキテクチャに依存することになります。

ただ、Linuxのアプリを入れるとなると、このARM64がかなり足を引っ張ります。そもそも他にLinuxでARM64のアーキテクチャを持ってるものとなると、あとRaspberry Piくらいしかないんですよね。つまり、Raspberry Piに対応しているLinuxのアプリを探すことで、ARM64版のChromebookに対応しているものも見つけられるいうことです。でも、これが思いの外少なすぎる。Linuxといえども基本的にはAMDAMD64やIntel64のみに対応しているアプリばかりです。メジャーなところで言うとMicrosoft EdgeAMDIntel製CPU向けのみで、ARM64には対応していないのでインストールできませんでした。また、LinuxWindowsソフトが動かせるようになるWineについてもARM64には対応していないので入れられないです。ただ、ARM64版は先述の通りAndroidアプリがよく動くので、わざわざLinuxを使わなくても済むっちゃ済むんですけどね。なので、結局のところ、ARM64版のChromebookに入れられるLinuxアプリとなるとAndroidアプリでは代用できないもの、具体的には良かったところの③で挙げたVSCodeGIMPLibreofficeくらいになるかなと思います。

AMDIntel系のCPUを搭載しているChromebookであればLinuxもフルで使えると思うので、Linuxにもガッツリ触れたい人はそっちを選んで、どうぞ。(でもそれならもうWindowsMac買った方がいいと思います)

 

まあ色々言ってきたんですけど、買いかどうかで言うとLTEモデルでサブPCなら買いかなというレベルですかね。あくまでも、WindowsMacのデスクトップ環境が整っている上で買うなら悪くない選択だと思います。

私がLTEモデルを買ったときはオプションの純正リチャージャブルUSIペンと合わせて6万円ほどでしたが、これでギリギリかなって感じです。今は本体だけで7万円ほどになってしまったようですが、それだったら買ってないでしょうし、WiFiモデルを選ぶのであればideapad duetなど他の機種の方ができることも増えるのでそちらの方が良いのではないでしょうか。

LTEに関してはまだ使ったことはないので、買って良かったところからは外しました。他のパソコンとの差別化も図れて、出先でも使えるようになるので、将来的には導入したいなと思っています。

また、アプリに関しての補足としては、たまたま私が使おうとしていたアプリがことごとくダメだっただけで、基本的にほとんどのAndroidアプリは入るでしょうし、ちゃんと動作するはずです。配信サービス系もNHKプラス以外はフルHDでの動作確認が取れてるらしいです。

【レビュー】HP Chromebook x2 11:動画配信サービス編~ 対応画質を確認。Amazonプライム・ビデオ、Netflix、Hulu、DAZN、Disney+ | GAPSIS

仮にアプリが入らなくても、思いの外クソだったところの①で紹介したChromeAPI経由で起動するやり方に従えばアプリっぽく使えるのでそこまで不自由はないかと。ゲームに関しても、上記で挙げたポケモンGO以外だと動作しないものはないんじゃないかなと思います。