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蓮ノ空活動記録 17話(PART1〜5) ちょっとした感想(ネタバレあり)

17話(PART1〜5)のネタバレがありますのでご注意ください。

 

前日に公開予告ポストするの、ニンテンドーダイレクトかよ。そして結局やらないんかい。(時事ネタ)

というわけで、一昨日予告されて昨日公開された蓮ノ空活動記録17話 PART1〜5。1月度Fes×Liveの振り返り配信では、みらぱの2人がなーんかバチバチしとるわね〜となってたところから、現在蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブではユニットの組み合わせを一時的に変更するシャッフルユニットを実施していることが明かされました。

前々の配信から異なるユニットの曲を歌うシャッフルフェスを示唆するようなことはあるにはありましたが、まさかユニットそのものをシャッフルさせてしまうとは。かつての虹ヶ咲ではシャッフルフェスという形式で似たような取り組みをしてましたし、このタイミングで改めて新鮮さを取り入れるということでは今後のプラスになりそうです。やる時期としても新入生が入ってからでは難しいでしょうし、ユニットも1年近く活動して定着してきてるということを考えると、良い取り組みになるのではないかと思っています。

で、まあどうしてそうなったかという原因としてはみらぱが揉めてるからであろうというのが、17話公開前までの推測の域をとどまるところではありましたが、予告でも"活動プランをめぐる衝突"、つまり方向性の違いによる部分が示されていましたね。どういうところで揉めるのか、どう掘り下げていくのかなとは気になるところではありましたが、ここまでのPART1〜5を観た感想としては、これまでの展開を踏まえてなかなか良いところを突いた瑠璃乃回だなぁという見方をしています。

みらぱが揉めた発端としては、瑠璃乃が自分にしかできないスクールアイドルの活動を思い描く中で、慈の「自分たちが楽しいことをすれば誰にでもその気持ちが届く」という考えと、瑠璃乃の「そういう楽しい場に付いていけない人を取りこぼさないようにする必要がある」という考えで、お互いのステップが噛み合わなくなったところでした。ここで慈が独善的な姿勢を見せたことで、ユニットとしての方向性の違いへと発展していったわけです。

ここで考えたいのが瑠璃乃の主張。思えば、ストーリーに沿った一貫性があるんですよね。というのも、9話『ルリ・エスケープ』で瑠璃乃がクラブに加入した際、スクールアイドルを始める決め手になった「みんなが、スクールアイドルだから!」「スクールアイドルはね、すごいんだよ。なんだっていいの、すごく自由なんだ」と花帆の言葉がありました。

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そうなんです。スクールアイドルはどんな個性だって受け入れられるんですよ。どんな目的だっていい。ここで花帆が語ったスクールアイドル論というのは個としてのスクールアイドルへの言及でもあって、過去の作品(同じ外伝扱いの虹ヶ咲など)でもその存在意義は証明されているところ。もちろん蓮ノ空の作中でもこのように明言することで、改めて蓮ノ空スクールアイドルクラブにおけるスクールアイドルがどのような扱いかが明確なものになった重要なシーンでもあったのではないかと思います。

そして、それと同時にここで瑠璃乃もまた花帆に掬い上げてもらった立場であるということです。"自分のような存在ではみんなと同じ方向を向いて活動できない"と、周りに取りこぼされることを懸念していたところ、花帆によって個としてのスクールアイドル像が提示された。つまり、スクールアイドルは自由な目的のもとで自分にしかできないスクールアイドルの形があって、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブは部員同士それぞれを尊重するとともに互いのやりたい活動を支え合う場なんだと。これがあって、瑠璃乃もスクールアイドルに一歩踏み出せたのだと思うし、今回自らの意思でスクールアイドルとしての活動を考えるきっかけにもなったシーンだと感じます。

ただ、この瑠璃乃を勧誘した場面に慈はいないんですよね。そして、そんな慈が瑠璃乃のやりたいことに真っ向から意を唱えてるというところがこの17話なんですよね。実際に9話で瑠璃乃を勧誘した部員4人はシャッフルユニットに協力しているし、共にユニットを組むことになった綴理に関しても釣りの誘いに付き合ったりと、今回の瑠璃乃をサポートしてくれているわけですからね。

一方で、慈も慈で、かつて瑠璃乃と同じようなことを考えていたことを窺わせる発言はありましたが、ここでそういう描写を入れられても9話での瑠璃乃の気付きとかその他これまでのストーリーを観てる側からすると、急に言われても説得力がなさすぎるとも思っちゃうんですよね。(まあなんというか、「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」という言葉にもあるように、自らが失敗した経験だけで他人のやることに反対しているのはいかにもめぐちゃんらしいと言われたらそうなんだけど…)

私個人の陰キャラバイアス故にという面も否定できないのですが、どうしても瑠璃乃の立場からしか考えられないというか、慈の姿勢には賛同できないというか。9話で花帆が語っていたスクールアイドルは自由だからという前提に立てば瑠璃乃の考えは否定されたり棄却されるものでは決してないわけで、その部分での尊重が欠けた真逆の描写になっていますよね。そして、むしろ"充電切れ"を自覚し、周りに支えられている瑠璃乃だからこそ、自分もまた楽しい場に立てない人に気付いて取りこぼさないようにできるとも思っていて。今回の慈は悪役までは行ってないし、慈のアイデア自体も理に適っているものではあるとは思うんですけどね。そして、そんな慈が瑠璃乃をスクールアイドルに勧誘した花帆とシャッフルユニットで組んでるのも皮肉な気がします。まあなんだ、2人ともかわいいけどね。

瑠璃乃と慈が共に活動する上で、いずれは起こるであろう問題だったのかなとも思うところです。瑠璃乃からしたら、個性を尊重するのがスクールアイドルということだったので、いくら幼馴染みの慈から言われたとしても、こうも自分の提案を頭ごなしに否定され、意思決定すらさせてもらえないこの状況は自らの描くスクールアイドル像ではないのは明らかでしょう。ただ、瑠璃乃は慈からの提案は否定しているわけではないんですよね。そこにはやはり、個性を尊重することを大切にしているところが窺えるわけで、自分にも相手にもポリシーを曲げない芯の強い女の子なんだなと感心しました。

そういうことで、個人的には9話の延長戦という見方までしてしましまう17話。どういった決着で、みらぱの2人が仲直りできるのでしょうか。結末が気になるところです。